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□魅力的、そして魅力的
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「タイガー君!」
トレーニングルームにて、ベンチで寝そべっている虎徹に声をかけたスカイハイ。
老若男女に人気がある、正にKING☆OF☆HEROは誰にでも愛想が良い。
しかし。
「お…おお。スカイハイ…どした?」
いくらなんでも近すぎではないか、と虎徹は思わずにはいられない。
スカイハイは寝ている虎徹の上に覆い被さり、両手で顔を包んでいた。
(何だこの状況。)
用があるなら、何もこんなに密着しなくてもいいんじゃないだろうか。
相変わらずの爽やかな笑顔でスカイハイは口を開いた。
「君は可愛い!そして可愛い!」
「はぁあああっ!?」
予想していなかった発言に、目を丸くする。
「何を言ってんだよおじさん相手に。」
「寝ていた君を見て!ムラムラした!」
「はぁあああああああっ!!?」
本当に何を言っているのだろうか。
わけがわからないよ、という視線を寄越すも、スカイハイは全く動じない。
「おお落ち着けって、スカイ…」
「キースと呼んでくれたら嬉しいよ!虎徹くん!」
間髪入れずにスカイハイは笑顔で言う。
「キ、キース…」
「何だい虎徹くん!」
「お前どうしたんだ急に…疲れてんのか?人肌恋しい時期になったのか?」
スカイハイは笑顔を崩さずに、軽く首を横に振った。
「ずっと思っていたよ。君はとても可愛い。とても魅力的、そして魅力的だ。」
サラ、と虎徹の髪を撫でる。
あまりの直球な物言いに自然に虎徹の顔はカッと赤くなった。
「な、な、何言ってんだよ!」
恥ずかしそうに目を反らす虎徹をじっと眺めていたスカイハイは、ますます距離を縮める。
「うわわ、近い近い!」
「僕はずっと我慢していた。君は可愛いし、魅力的だけど、僕だけが知っていればいいことだから言わなかった。でも、君の魅力は様々な人を惹き付ける。
…だから、焦ってしまってね。」
いつになく真面目で、切なそうな目から逃れられない。
虎徹の心臓は少しずつ速くなっていった。