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□強がりおじさん
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※side:バーナビー
「おはよーバニーちゃん!」
「おはようございます…」
朝からいつもどおりの笑顔で出勤するおじさんを見て、胸の辺りが少しムカムカする。
昨日、何度目になるかわからないが、おじさんを犯した。
おじさんが悪い。
おじさんの細い腰、細い足、顔、髪、瞳。
それら全てが僕を魅了して止まない。
おじさんのくせに、エロいって反則だ。おじさんのくせに、可愛いってズルい。
それなのにおじさんときたら、迫る僕の顔を見て、顔を赤らめて「その顔は反則だ。ズルい。」と言うのだ。
全くどっちが反則でズルいんだか。
情事は余裕の無いおじさんを見れてとても快感なのに、普通の出勤の時は恥ずかしそうな仕種をするなどといった様子は垣間見えない。
いつもどおり、笑顔で僕に挨拶し、茶化したりおちゃらけたりする。
ヒーローにとってはそのように完璧に割り切ることは大切なのだろうけど、それでもやっぱり少し悔しい、なんて。
ヒーローらしからぬことを僕は考えている。
もっとあなたの全てに僕が浸透していけたらいいのに。
「おじさん…」
「んー?」
隣に座り、デスクワークに励もうとしていたおじさんは無邪気な顔を僕に向ける。
「…昨日のアレ、身体に響いてませんか?」
「あれって?」
あくまでシラを切ろうとするおじさんの耳元に屈み、囁いてみる。
「…………セックス。」
ポソリと囁くと、一瞬おじさんが強張ったように見えたのだが、そのあと馬鹿にしたような笑みで僕の額をつついた。
「舐めんなよバニーちゃん!おじさんだってまだまだ体力あるもーん。」
「……そうですか。」
特に動揺した様子は見られない。
変わらない態度にガックリくるも、まぁ可愛いからいいか、と思い直した。