Monsterシリーズ

□君がいいんだ
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不安でも【結城】

☆☆☆☆☆

 元木さんと別れてから、俺たちはタクシーで家まで帰った。酔っぱらってたし雨も少し降ってきたから俺はマキのうちに泊まる事にしたんだ。
 そんでお風呂も入って、二人でベッドの中でまったりしてたんだけど。

「マキ、あのさ、元木さんさ、駿の事好きなんだよね?」

 気になっていた事をマキに聞いてみた。読んでいた難しそうなプログラミングの本をサイドテーブルの上において、マキは俺に微笑む。

「ええ、そう思いますよ」
「でも、駿は」
「そうですね。多分、残念ながら課長の片思いってことです」

 やっぱり、そっかぁ。なんだか、悲しくなってきたんだ。だってさ、あんなに好きでいてくれる人がいるのに、どうして……

 駿はご飯としてしか見れないって、だから、人間とは付き合わないって、言ってたけど。
 でも、さっきのあのキス見て、思ったんだ。他人にはいつもクールで飄々としてる駿なのに、すごい感情をあらわにしてた。まるで家族でいる時みたいに。それってさ、元木さんの事、結構特別に思ってる証拠じゃないの?

「結城さん。希山さんには好きな人、いると思いますか?」

 マキが俺を抱きしめて聞いてきた。

「……いるのかな? 俺、聞いた事ないけど」
「そうですか……」

 マキは、なんだか煮え切らない返事をする。

「どうしたの? マキ?」
「いえ、希山さんには機会があれば俺から聞いておきます」

 そしてしばらくの沈黙の後、またマキが聞いてきた。

「質問があるんですけど、答えられる範囲でいいですし教えてもらえませんか?」
「うん、いいよ」
「あなたの仲間は、たくさんいるんですか?」
「うーん、そんなにいないよ。俺たちは歴史的に忌み嫌われて殺されている経緯もあってさ、人数は少ないよ」
「でも、日本にも100人くらい入るはずだよ。世界でみると10000人くらいじゃないかなあ」
「そうですか、少ないですね……仲間に出会えると言う事は非常に稀なんですね」

 俺たちの仲間の数の少なさに驚いているようだった。

「でもさ、親戚つながりで近くにたくさんいる時の方が多いよ」
「そうなんですか?」
「俺は一人っ子で親も死んじゃったから、俺の近くにはいとこの駿くらいしかいないけど、駿にはお姉ちゃんも両親も、いるからね」

 それにまた驚いたマキ。

「彼は、肉親のいるそぶりも見せないんですね」
「うん……俺たちは、人じゃないから仕方ないよ、俺たちの言動一つで家族を辛い目に遭わせてしまうかもしれないから。でも駿はね、ああ見えて凄く優しいんだよ」

 俺は昔を思い出して、懐かしくなった。

「俺が高校卒業してさ、一人で働く事になって、そしたら駿、すごい心配してくれてさ。駿が今の仕事に就いたのも、俺の近くにいて困った時は助けるためだって言ってくれてんの。優しいでしょ?」

 駿の方が年下なんだけどねと、俺は笑った。

 今日は駿に久々にキスされて、ちょっとイヤだったけど、昔はしょっちゅうしてた。駿はいつでも俺の事、心配してくれてたんだね。
 でも今はマキがそばにいるから、俺、大丈夫だよ。
 駿も俺のおもりなんてやめて、もう自分の思う通りに生きて欲しいよ。
 
 駿、ずっと大好きだよ。
 大切な、俺の家族だから。


「結城さん、鈍感ですね……ほんとに……」

 だけどマキが、少し苦笑いをした。

「なにが?」
「あなたが鈍感で良かったですけど」

 苦笑いからふつうの笑顔になって、また俺を抱きしめる。

 マキ?

「分かんない。どうしたの?」

 俺、何が鈍感なの?

 答えの代わりに、俺に軽くキスしてきたマキは、
「結城さん、抱いていいですか?」
と囁いて、今度はもっと深くキスされた。

「ん、、、、ぁ、、、、ふ、、、、」

 マキ・・・・
 もうキスだけでクラクラするよ
 気持ちいい・・・

「マキ、、うん、、、しよ。。」

 俺は、マキに返事をする。

 さっきお店で 言ってくれた言葉・・・
『守ってくれてありがとう』

 すごい嬉しかった
 マキが俺のこと大切にしてくれてるって分かって、ほんとに嬉しかったんだ

 マキ
 ココはマキだけの唇だよ
 俺は全部、マキのものだよ
 唇も体も心も、マキのなんだ

 ね・・・・抱いて・・・?
 マキのだって、感じさせてよ

 俺を、マキでいっぱいにしてよ



「ああ、、ん、、、あふっ」

 マキが俺の体をいっぱい触ってくる。
 胸も、首も、腰も、嬉しくて硬くなって濡れてきたトコも、全部マキが優しく触ってくれる。
 舌で舐めて、指先で、手の平で撫でて、ゆっくり、全部。沢山沢山触ってくれる。 

 マキ、大好きだよ

「ふあっ、、ああっ、、ねっ、、マキぃっ」
「なんですか?」

 体中が気持ちよくて、幸せで。
 だから俺、マキにもそうなって欲しくて、俺のモノをしゃぶってるマキに言ったんだ。
 それは実は前からしてみたかったこと。

「あっ、、ん、俺も、、したいっ」
「もう挿れて欲しいの?」

 彼はまだ触っていない俺の後ろに指を添えた。

「ちがっ、、あん、、マキの、、なめたい」

 言ってしまったら、恥ずかしくて真っ赤になってしまった。
 でも、いつもマキはしてくれてるのに、俺は今まで一度もした事なかったんだ。

「結城さん……」
「あっ、、はンっ。あああっ」

 だけどマキは、俺のをまたしゃぶり始めた。
 なんで? させてよ。

「マキっ、、ああっ、きいてるっ? っなめさせてっ」

 チュルッと音を立てて俺のものから口を離したマキが
「うれしいです。結城さん……では、一緒に、キモチ良くなりませんか?」
と、俺の体を自分のお腹の上にのせてくるっと回転させた。


 あ……目の前に、マキのがある。
 大きく硬くなって、先がちょっと濡れてる。
 これが、いつも俺の中に入って、おかしくなるくらいキモチ良くしてくれてるんだ……

 俺は、それに初めてキスをした。
 いつもマキがしてくれるみたいに、そっと唇と舌を這わせて、全部綺麗に舐めてから、口の奥へ、くわえこむ。

 大きいっ
 んっ、全部入りきらないよ

 チュバチュバ舐めていたら、マキが俺のを舐め始めた。しかも、後ろにも指をいれてくる。

「んんっっ、、ふっっぅっ」

 ああっ、、きもちいいっ

 中でいっぱい暴れているマキの指を感じて、俺の口にはマキの硬いのがはいってて。
 マキで、いっぱいになってる、俺の体……

「んっんっふ、、、んっ」

 俺は必死になってマキのをしゃぶってた。入りきらないところは手で握ってさすって。

 なんか、口の中も気持ちいいよ
 ああ、マキ
 もう俺、おかしくなってるのかな?
 マキのから少し苦い液が溢れてきて、それもなんだかおいしくて、もっと、しゃぶっていたいんだ

 マキ、きもちいい?
 なんか、さっきよりマキのが大きくなってきてるよ?

 ねえ、もっと、キモチ良くなってよ
 マキ、俺でキモチ良くなって
 俺も、キモチいいから

 マキがいっぱい触ってくれて、舐めてくれて
 ああ、もう・・・っ
 イっちゃいそうだよ・・・


 俺はもう、限界も近かったんだ。だけど、じゅるんとマキが俺のモノから口を離した。

「結城さんっ、、ココに、、いれさせて?」

 少し上がった息を吐きながら、俺の後ろを更に激しくかき回してく。

「んんっふっぅぅあああっっ」

 痺れるくらいの快感で俺は口からマキのを出してしまった。その隙にマキが、ズルッと下にさがって俺の股の間から抜け出して、そのまま、俺の腰をつかんだ。
 そして四つん這いになってる俺の後ろに、思い切り入れてきたんだ。

「ああああんっ!!」

 俺は、イってしまった・・・・その衝撃だけで・・・・

「結城、さん……イったの?」
「あん、、あっ、言わないで……っ。あふっ」
「すごい締め付けてますよ……ヒクヒクしてる、っ俺も、もうイっちゃいそうです……あなたに、あんなに舐められたら」

 そして、奥まで何度も貫かれた。

ーズブッジュチュッグボッ

「ああっ!、まっ、、きぃっ、、ああん!、、だっめっ、、もぅっ!!」

 トロトロになった俺の中で、大きなマキの、さっきまで俺が舐めてたマキのが、ジュブって音たてていっぱい動いてく。
 気持ちよくて体中熱くて、幸せで、俺、どうしようもなくて。

「ハッ・・ッっ結城さ、・・イッく・・ああっ・・」
「あっあっ!、、っマキっ、アっ!、、ぁああイクっ!っっ!!」

 マキが俺の名前呼んでくれて、そして奥の奥でマキのが溢れた時、俺ももう一度上りつめた。


 薄れていく意識の中で

 マキ・・マキ・・・・

 俺は彼を呼んだ。


 大好きなんだ・・・
 好きな人とこうやって一緒にいられることがほんとに幸せなんだ

 人と吸血鬼で、全く違う俺たちだけど
 その進む未来が、たとえ真っ暗闇だったとしても

 ほんとは、今も不安がいっぱいで、暗闇の中にいるんだけど

 でも不安でも、迷っていても
 二人でいたら、幸せに変わるんだ

 マキ・・・・俺のそばにいて
 ずっと

 
 だからね、駿
 俺、今幸せだから

 駿もいつか、駿の大好きな人のそばに
 ずっとずっと、いられたら
 俺、凄い嬉しい

 俺にとっての、マキみたいな
 そんな人と


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