寄り添い花シリーズ
□寄り添い花
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おまけ
☆☆☆☆☆
inプライベートリビング
執事「奏太さまは、無事に桐島を引き留めることが出来るでしょうか?」
総帥「何を心配している、唐沢。大丈夫だ。それすら出来ないなら、あいつに私の後を継ぐ資格などない」
執事「お厳しいですね、旦那様」
総帥「桐島を奏太の執事に選んでよかったよ。あいつは、お前とは違うからな」
執事「それは、ずいぶんなお言葉でございます」
総帥「お前は金で動く人間だ。だから私はお前を選んだのだが。唐沢、もし私が無一文になったら、お前は私のそばを離れるだろう?」
執事「働いた分の報酬をもらうことがかなわないならば、そうなるでしょうね」
総帥「だが、あいつは違う。たとえ奏太が天涯孤独になったとしても、そばを離れないだろう。完全に奏太を崇拝しているからな」
執事「確かに奏太さまは聡明でらっしゃいますが......」
総帥「それがお前を奏太付きにしなかった理由だよ。私が欲しかったのは、どんな状況になったとしても奏太を守り通す人間だ。まるで家族のようにな。桐島はそれが出来る男だ」
執事「しかし、奏太さまもかなり桐島にご執心とみうけられますが」
総帥「あいつはまだ15だし、なにより7歳から母のように傍にいる男に、家族と同じ執着があって何らおかしくはない。まあ、もし今後の経営に障害となるならば、桐島に消えてもらうこともあるかも知れないが」
くく、と総帥は笑った。
執事「これから、どうなさるおつもりですか?桐島を」
総帥「二人でこのリビングにやってきたのなら、もう一度奏太付きを任命しよう。来ないなら......消せ。奏太を泣かせた罪は万死に値する」
執事「やはりお厳しい方だ」
総帥「奏太云々は冗談だが、あいつは有森家について色々と知り過ぎている。もしライバル会社の執事などになってしまっては元も子もないからな、消すに限る」
そのとき、コンコンコン、とノック音が鳴った。
扉を見れば、はめ込まれたスリガラス越しに息子とその執事のシルエットがほんのりと見える。
執事「交渉成立のようですね」
総帥「下僕は下僕としてしか、生きていけないのだ。お前は一生奏太に仕えるがいい、桐島」
唐沢に扉を開けろと命令した総帥は、浮かんだ不敵な笑みを、素早く父の微笑みにすり替えた。
☆☆☆☆☆
完
あとがき
完全にショタ受けな話でしたが、どうだったでしょうか。。。。。(@@;)
ああ、ドキドキです……((((;゚ロ゚))))
実は、おまけを書いている方が楽しかったです。
総帥みたいな男。好きです。
桐島と奏太が、ウジウジ悩む姿は、見ていて爽快ではありませんし。←自分で書いてて言うか。
早くくっついてよっ。って書きながら、何度思ったことか。
でも二人が幸せなら、いいかな、、?
総帥からしたら、桐島はただの下僕ですけど。
主従関係って、そういうもんでもあると思うので。
だから、どんなことがあっても、桐島は奏太を守ってくれるんです。
今後もしっかりとナイトとして愛する主を守っていってほしいです。
読んで下さったみなさま、本当にありがとうございました。