Monsterシリーズ
□楽園
3ページ/8ページ
不安【結城】
☆☆☆☆☆
一週間後の土曜日になり、俺たちは午前11時にマキの実家に着くようにマンションを出た。
この1週間、俺は普通を装っていたけれどやはり不安を隠しきれず、いつもより食欲もあまり無かった。睡眠もちゃんととれなくて。
昨日は全然寝られなかった。そんな俺を見るに見かねて、マキはセックスで無理矢理に俺を寝かせた。
マキは、、、優しいから。。
きっと、俺が寝た後、寝付けずにずーっと起きていたんだと思う。俺も、起きてマキを抱きしめたかった。寝不足の顔をしたマキの横顔を見て少し涙がにじんだ。
「結城さん、俺、今日は嬉しい日ですよ」
寝不足だけれど晴れやかな笑顔でマキはそう言う。
「マキ。。。」
「俺、幸せなんです。あなたを紹介できることが。俺の家族にあなたが好きだって、伝えられる、そして、きっと、俺の母は、あなたを認めてくれるはずです」
マキは俺の手をぎゅっと握って、また笑顔になる。
そんなマキみて、俺も笑った。
きっと、大丈夫
マキのお母さんだから
マキの家族だから
俺の大好きなマキ。
そんなマキを育ててくれた、お母さん。
だから、きっと
大丈夫
マキの笑顔と手の温もりに、重たかった足取りが少し軽くなるのを感じた。そうやって、二人で胸の不安を取り払って、俺たちは歩く。
俺たちはきっと大丈夫
そう
ありのままのふたりなら
きっと
☆☆☆☆☆