総一テキスト
□+ふぁふにゃー
2ページ/3ページ
そんな一騎達を尻目に、甲洋の思考を総士が受け取ったのか、はっと我に返る皆城。
「(こうしてはいられない!)敵は第一ヴェルシールドを突破。第二ヴェルシールドを突破されるのは時間の問題だ。ジーベンのドラゴントゥースで先制攻撃を仕掛けるんだ」
『了解』
『第8ナイトヘーレ開門』
「第8ナイトヘーレ、開門」
総士のシステム越しの指示に、弓子が復唱する。
『ファフにゃ…ファフナー マークザイン、ドライ、フィアー、ジーベン 発進!!』
水中から、飛沫を上げ勢いよく浮上するファフナー。
そのパイロット達は、笑い声を抑えるのに必至でニーベルングの指輪を握り締めた。
(今絶対噛んだ!総士絶対噛んだ!!かっこよくキメようとしてたのに!!)
(ファフニャーか…なかなか面白いな)
(なんか今日の総士、大丈夫かな…)
(翔子、長くなるけど、私の話を聞いてね…)
(!!!ち、違うんだ!ファフニャー…そう、ファフニャーとは因子を移植された新種の猫の事なんだ!!一騎髪のように艶やかな毛並みで…)
脳内でしどろもどろになりながら言う総士。
一騎達は込み上げてくる笑いに、動けないでいた。
「…あ、だ、第二ヴェルシールド突破されました!」
「な、何をしているんだ!早く迎撃に回れ!」
(自らも少し笑っていた)史彦の一言でパッと散開し、トリプルドッグを組む四人。
総士はと言うと、心中で笑われた事に対してショックを受け、モニターを見たまま指示を停止してしまった。
『総士、気にするなよ…っふ…。誰だって噛むことぐらいあるさ…っく…』
笑いながら言われたって説得力は無い。
一騎はフェストゥムに一撃を喰らわせながら言った。
「…………一騎………」
『何だ?総士』
「…帰ったら、ファフニャーになってもらう」
『……は!?』
「フィアーとジーベンで敵を惹き付けている間にザインとドライは後方に回り込め!フィアーとジーベンは敵の左右を固めて砲撃を開始しろ!」
ポソリと一騎に呟いた後、先程とは人が変わったように指示を出す総士。
『ちょっと待て総士!ファフニャーって何だよ!』
「今は戦闘中だ。集中しろ」
『お前が言える事かよ!?』
「…この後が楽しみだな…」
クスリと微笑んだ総士に、パイロット達は身震いした。
総士の真意とはいかに…!?
オチの無いままFin