熱唱
□歌う…
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目の前で起きた爆発に、機体が少し揺れた。
「何をしているんだ、バサラ!」
怒ったような顔がモニターに飛び込んで来た。
敵との攻防を繰り返しながら、アイツが怒鳴る。
「歌が止んでるぞ!こっちは任せて、早く唄えっ!」
厳しい言葉だが、思いやりを含んだ優しい言葉だ。
「言われなくても分かってるよ!行くぜっ!ファイアー!!」
身を奮い立たせるように大きく叫ぶ。
戦争なんてくだらねぇぜ!
俺の歌を聴いて目を覚ましやがれっ!!
どこか遠くで、そう言っている自分を見ているように感じた。
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