WING
□プロローグ カナトの始まり
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深い、深い森の中、僕は必死に走り続けた。
こけそうになりながらも、ボロボロになりながらも、走って、走って、走って…僕はついに転んで、もうだめだと思ったその時、どこからか叫び声が聞こえた。これはまだ僕が幼かったころの遠い、遠い、昔の記憶−。
あれから13年がたった。
「ほらカナト、行くよ!!」
「うん!!」
あの人のようになりたくて、僕の誇りだった父の背中を見て、僕は、今、ここにいる。
大切な人を守れる程、強くなりたくて、僕は、歩き出す。
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