雑文

□もう、やめた。
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真夜中の一時。
鳴らない携帯を私はただ
見つめた。
何時間、こうして携帯と
にらめっこしてるだろう。









思い出すのは貴方との日々。
ワインレッドの車の
運転席には貴方。
助手席には私。
街の明かりは
エキセントリックで。
貴方とお揃いのタバコを
私はくわえた。


頭を撫でてくれた
温かい手。







『今日ヒマ?
会いたい。』


私のメールは無視するくせに
自分でヒマな時だけ
会いたがるの。





わかってた。
私は都合のいい女だってこと。


罪悪感を感じてるのかな。
私の体に手を
出すことは無かった。
仕事で疲れてる貴方は
いつも私の部屋で
寝息を立てるの。






貴方の吐息が私の頬にかかる。
私よりも太くて固い腕が
私を包み込む。


寝ぼけてるのかな。
唇が、私の頬に触れた。
心臓がドキリとはねあがる。


知ってる?
貴方は遊びのつもりでも、
私は貴方の言動1つ1つに
振り回されるの。







今日で最後にしよ?
その一言が言えないのは
もっと貴方のそばに
いたいから。
私は貴方の
ヒマ潰しでしかないのに。




「ナミ。」




名前を呼ばれるたびに
嬉しくて、悲しくて、
心がつぶれてしまいそうで。
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