雑文

□もう、やめた。
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広がるのは、目映い夜景。
「ゆらゆら揺れて見えるのは、
温度とか色んな条件が
組あわさってるからなんだ。」
博識な貴方は
そう教えてくれたね。


吐いた息が、白くなる。


このまま貴方の隣にいても、
いいことなんてない。
私が苦しくなるだけ。






「ねぇ、ロー。」


「なんだ?」


「私、ローが好き。」


貴方は、驚いたように
目を見開いた。


「辛いの。だから、
会うのは今日で最後にしよ?」


貴方は私を黙って見つめた。
澄んで冷たい空気が、痛い。


「俺も、ナミのこと、
可愛いと思ってるよ。」








そんな言葉を、
聞きたいんじゃない。
「好き」って言ってくれないのは
私が貴方の
ピエロだからでしょう?


「だから、"最後"とか
言うなよ。」


ひき止めるのはどうして?
罪悪感?
キープしておきたいから?
私は貴方がわからない。









「...じゃあね。」


私の後ろ姿に貴方は
叫んだ。


「またな!」














何故だか、涙が溢れた。
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