雑文

□もう、やめた。
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"またな"


貴方の言葉が脳内で
コダマする。


あれから二週間。
貴方からの連絡はない。
どこかで期待していた自分に
失笑した。


2ヶ月前に買った、
貴方へのプレゼントを眺めた。
ヘマタイトの数珠。
私がつけるには、
サイズが大きい。


ゴミ箱に捨てると、
少し重いそれは
ゴトリと音を立てる。






深呼吸をして
携帯を開く。
電話帳をスクロールして
たどり着いた貴方の名前。





『削除しますか?』



無機質なその文字を
5分ほど眺めて
ようやく決定ボタンを押す。



『削除しました。』



貴方からもらったクマの
キーホルダーも、
ゴミ箱へ投げ入れた。









もう、やめたの。
貴方を待つのも、
貴方に期待するのも。


寂しくなんかないわ。



そう言い聞かせ、
貴方の匂いのするタバコに
火をつけた。








強がりと一緒に
全部捨てるの。
貴方と繋がってるものなんて。


タバコのロゴをじっと
見つめた。








さよなら。
もう、貴方なんて
いらないんだから。










Fin.
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