雑文

□GIVE ME LOVE.
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「なんで俺を拾った。」


浮かべていた微笑は
消えていた。
それはまるで攻撃するために
刺すような言葉で。


「なんでって...
放っておけなかったからよ。」


「何が目的だ。」


一週間で何かが
変わったと思ってた。
でも、何も
変わっていなかったのだ。
ローが私にいだく警戒心は
そのままだった。


「助けるのに、
目的も何も無いでしょう?」


私のこの返答が
気に入らなかったようだ。


「助けてくれと
頼んだ覚えはない!」


敵意を剥き出しにして
ローが怒鳴った。







人間が嫌いなローが
私に不信感を持つのは
当たり前のことで。
でも、どこかで私は
期待していたのだ。
もしかしたら、
ちょっとでいいから私に好意を
持ってくれていたらなって。


「ロー。私は、
貴方に何もしないわ。
そんなに警戒しないで?」


近づいて、頭を撫でようと
した時だった。


「触るな!!!」


私の手を払いのけ
距離をあける。
瞳が、揺れていた。


拒絶された。
その事実がどうしようもなく
悲しくて...。


「なんで...泣くんだ...」


怒っているような、
困っているような
そんな声だった。


「そんなに嫌いなの...?
私、貴方に
何もしてないじゃない!」


そう言ってローに目をやると
自分の髪をかきむしっていた。


「何なんだ...
何なんだよ、お前...!」


ローは苦しそうにその場に
しゃがみ込んでしまった。


「ロー...?」


覗き込むように私も
ローに近づいてそこに座った。


「ごめんね...
大きい声出したから、
びっくりしちゃった?」


浮かんだ涙を拭って
ローに手を伸ばした時だった。
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