捧げ物・宝物

□愛と憎しみは紙一重
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Side H



それは、ふつりとわいたかんじょう。





「あ、あれ旦那じゃないですか?」
「ああ?」

巡回中、山崎が言った。
確かに前方遠く、見紛う事なき銀髪が輝いている。


そしてその隣、


「女のひと…ですかね」


こちらは綺麗な黒髪を長く伸ばした、女。
女の顔は見えなかったけれど、二人は楽しそうに言い合いをしながら笑っているようだった。


土方の心の奥底で、何かがゆらりと蠢いた。


けれど―――



「…行くぞ山崎」
「え、声かけなくていいんですか?」
「巡回中だ。あいつも楽しんでるみてーだしな」
「でも…」
「話しかけてェならテメェだけで行け。俺ァ行くぞ」
「あ、副長!待ってくださいよっ!!」



―――それが何なのか分からないまま、土方は銀時に会わないよう道を変えた。
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