長編
□あ
1ページ/1ページ
あいしていたよ、誰よりも
Prologue (だって誰より大切だった)
繰り返される絶望。希望の片鱗すら奪われてしまった僕に、一体何を望めというの。
足掻いた軌跡は、もう遠い記憶の彼方。
諦める事に慣れたこの世界は、もう俺にとって必要の無いものだった。
希望を持つ度絶望するのなら、希望を持つ事をやめてしまえばいい。
そう気づいたのは、いつの事だったろう。
『お前なら、なんだってできるよ』
かつて信じたこの言葉は、君の言葉だったというのに。
―――嗚呼、ひとつだけ願えるなら。
輝いていたあの日に、戻りたい。