長編

□い
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―――間違えた、間違えた間違えた間違えた!!


それだけが頭の中を駆け巡る。
折角の『奇跡』だったのに!
もう何度目なのかも分からない絶望の中で、ようやく巡り合えた奇跡だった。待ち望んでいた奇跡だったかもしれないのに。

「どうして…ッ」

もう慣れ親しんだ、どこでもない空間で一人頭を抱えて蹲る。
後悔、そんな言葉では言い表せないような混沌とした感情。どうしようもない程の孤独に、のたうち回って発狂したくなる。
けれどそんな事をしたってどうしようもないことは知っているから、唇を強く噛み締めた。
どうせ痛みも何も感じないけれど。







もうどれほど経っただろう。
真っ暗だった世界に居る僕の意識は、ゆっくりと混じり合って溶け合って、そうしていつしか俺になる。

「……」

薄れてゆく意識の中、ぼんやりと手を伸ばした。
一番届いて欲しい人だけには、届かない。


ねぇ、俺は、ずっとずっと待っていたんだよ。
起き得ない奇跡を。
世界の終わりを。

終わらない絶望のループ。
いつしか諦めていた世界。
これは俺への罰か、それとも運命の悪戯か。
考えたって分からないけれど、唯一つだけ願う事を許されるなら。





「思い出して―――…」





奇跡を起こすために、俺はもう一度戦おう。
終わりのない絶望の終焉を願って。








to be continued...
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