CP無/OTHER

□140文字
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(Ib)



どうして?

わたし、怖かったけどうんと頑張ったよ。
メアリーの絵も燃やしたんだよ、やめてって泣いたあの子を無視して、燃やしたよ。そうしたらギャリーを救えるかなって、目を覚ましてくれるかなって、なのに、


「…どうして?」


ねぇ、めをさまして。





***





なぁ土方、好きだよ。
そう言ったら今日もお前は、迷わずに俺もだよなんて言うのだろう。

俺と土方の好きは少し違って、けれどそれは大きな差で。
笑顔の同意は、何よりの拒絶。

何度となく繰り返した「好き」を、今日も紡ぐ。
何度となく繰り返された「俺も」に、少し泣きそうだった。





***





なぁ土方、好きだよ。
その言葉を一体何度聞いただろうか。

俺と坂田の好きは少し違って、悲しいくらいに隙間があった。
きっと俺の「好き」の意味を、あいつは知らないのだろう。
屈託のない好意は、何よりの凶器。

今日も彼の「好き」を聞く。
そっと邪な想いを込めて、俺もと答えた。





***






「告白しないアルか」

誰に、なんてすぐに分かった。
道の先には、見慣れた黒い背中。

「…しねェよ」
「どうしてヨ」
「勝率ゼロだから」
「……」

ぐっと押し黙った神楽の頭をかき混ぜるように撫でた。

「…大人になると色々あんだよ」

嗚呼それはもう、嫌になるほど。





***





きっとその絵に、恋をした。

高校生の頃一度だけ、近藤達と行った美術館にそれはあった。
タイトルの付いていない絵の中に眠る、同年代だろう銀髪の少年。
ただの絵のはずなのに、どうしてもずっと一緒にいた気がして、愛しくて。


ねぇ、夢の中、好きだよと言ったのは誰だった?





***





泣かないでと彼は言った。
泣かないで、前を向いて、走って、お前だけは生きて、と。

「好きだよ、好きだよ土方。ずっと好きだった。これからも大好きだよ」

泣きそうに幸せそうに震えた声は、それきり途切れて。
暗い床に広がる銀色に、そう、自分は泣いたのだ。

「…俺も好きだよ、××」





***





↑2つIbパロ
1…自分でもよく分からないまま絵を眺める土方さんの話
2…ふとしたきっかけで銀さんの存在を思い出した土方さんの話
ちなみに銀土は高校生





***





「土方ー!誕生日おめでとう!」

「…えっなにお前マジで来たの?」

「その嫌そうな顔やめてお願い」

「で、何の用だよ」

「ケーキをお届けに」

「…甘いモン苦手なんだけど」

「甘さ控えめだから!」

「……」

「……」

「…お前も食うなら、食う」

「喜んで!」





***






「はぴば!」

「色々とキモい」

「酷い!食事の誘いに来ただけなのに!」

「え、奢ってくれんの?」

「当然」

「じゃあファミレスでエビマヨ」

「安いなお前!まあその後ラブホ行くからいいんだけど」

「…さよなら先生、短い付き合いでした」

「冗談です捨てないで!」

 
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