銀時×土方
□それはきっと恋だった
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「俺、明日死ぬんだ」
あまりに唐突にあまりに明るく、土方はそう言った。
「…なに?自殺宣言されても困るんですけど」
返事が少し遅れたのは、今日丁度そんな夢を見てしまったから。
それに、土方の言葉が軽すぎて重かったからかもしれない。
「なんでだろうな。でも、分かったから」
伝えておきたいんだと彼は言う。
笑顔の裏の絶望は、哀しいほどに胸を刺して。
「俺の墓参りには絶対来いよな」
「…ああ」
「別に何も供えなくていいから」
「うん」
「何も言わずに手を合わせてくれりゃあそれでいい」
「…随分簡単な頼み事だな」
「そうだな」
くすりと小さく、土方は笑った。
薄い青色の眸に映る自分の笑顔は、酷く引きつっている。
「それから、あと一つだけ」
「…なに?」
「俺の墓の前で、たった一度、少しだけでいいから」
「……」
「―――…泣いて、欲しい」
それだけが望みなんだと、彼は泣いた。