銀時×土方
□それはきっと恋だった
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夕方になって降りだした雨は、全てを洗い流すかのように大きな音を立てている。
叩きつけるかのようなそれは、テレビのノイズによく似ていた。
『真選組副長を含む十六名は、』
「…馬鹿じゃねぇの」
吐き捨てるように呟く。
『死亡が確認され、』
「最後の頼みがアレとか、ホント馬鹿すぎるだろ」
言葉に混ぜた溜め息が震える。
『葬儀は明日の予定に、』
「墓で泣け、とか」
ポタリと、床に水滴が落ちた。
頬を拭おうとした手は震えていて、それに少し苦笑する。
「…言われるまでもねェっての」
墓が出来たら、きっと君に会いに行こう。
そうして望み通り、思い切り泣いてやるのだ。
涙が枯れたら子供のように笑って、なに死んでんのなんて馬鹿にして。
最後にまたなと言えば、言葉を返してくれるだろうか。
近い未来に、そっと笑った。
それはきっと恋だった