近藤×土方

□ずっと君を×してる
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×しい×しい、俺だけの。
















「なぁ、近藤さん」


静かに響いた声に、書類をめくる手を止めて土方を振り返った。
視線をやったその先、薄い青色の眸が二つ、じっとこちらを見つめている。

求めていた、求めている彼の全て。

感情を映さない硝子球のようなそれに、背筋が震えるほどの歓喜を覚えた。我ながら悪趣味だ。分かっていてもやめられないけれど。
くつりと小さく笑えば、彼の手にした書類にくしゃりと皺が寄った。

「…どうして」

淡々と声は響く。
もう一度、どうして、と彼は言った。
感情の無い眸が一瞬だけ悲痛に揺れる。



「―――どうしてアンタは、俺を×したの」



黒と白のコントラストが、彼を実際より細く儚く見せた。
折れてしまいそう。否―――折って、しまいたい。

「…どうしてなんて決まってるだろ」

そうして、笑った。
あの頃と変わらない笑顔で、いつからか笑わなくなった彼だけを見つめて。


「トシが好きだからだよ」


ずっと変わらない答え。
僅かに絶望したような、諦めの混じった吐息が彼の唇から漏れた。

整いきった顔立ちも、誰をも受け入れてしまうような優しさも、彼の全てを×している。
土方がいなければ近藤は生きていけない自信があった。それほどに×してしまった。
一方的な想いは嫌だった。受け入れて欲しかった。
だから、近藤がいなければ土方も生きていけなくなればいいのだ、と。
そう気付いたのは、どれくらい前のことだっただろう。

強く噛み締められ傷ついた彼の唇に、己のそれを重ね合わせて鉄錆の味を舐め取った。




「お前が俺以外のものになるなんて、考えたくもない」













ずっと君をしている
(ねぇ、どうか×して)
 

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