山崎×土方

□あんたのためなら、
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あ、何ですか副長。


…あのお偉いさんが本当に自殺かどうか調べるんですか?
調べるまでも無いじゃないですか。

殺されましたよ。
俺に。





殺されても仕方ないひとですよ。
だってあのひと、あんたを足蹴にしたでしょう?
真選組のために、プライドの高いあんたが土下座までして頼んでるのに。

あんたの綺麗な顔に傷をつけたのが、俺は何より許せなかったから。



だから昨日の夜、自殺に見せかけて殺してきました。


あのひとの最期の言葉、何だったと思います?


『金ならいくらでもやる!だから命だけは…』


そんなことを言ったんですよ。

酷いと思いませんか?
命張って仕事してる俺たちへの冒瀆でしょう。


本当は首吊り自殺にするつもりだったんですよ。
一番自殺らしいでしょう?

でも、思わず斬り付けちまったもんで、そうもいかなかったんですよ。
だから、手首を切って自殺。

本当に良かったですよ、斬りつけたのが手首で。
首とかだったら、攘夷浪士の仕業にしなきゃいけないじゃないですか。
あんたの仕事を増やすわけにはいきませんから。




でも、さすが副長ですね。
自殺じゃないって気づかれるとは思いませんでした。

あはは、監察失格ですかねぇ。



でもまぁ、俺はもう少しあんたの元に居たいと思うんで、







「副長、やっぱり自殺でした」






もうしばらく、従順な部下でいさせてくださいね。













Fin

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