二周年フリー小説

日桃

『桜サクラ』


春。


俺はこの季節があまり好きではない。


何故ならうちの隊の副隊長が花見だ宴会だといってすぐサボるからだ。


まったく誰にツケが回ると思ってるんだ。



それの宴会に何故かいつも他の隊のアイツが付き合わされている。


「隊長も飲みましょうよー。」

うちの隊の副隊長・松本はいつもこうだ。

「俺は飲まない。」

誰か一人くらいまともなヤツがいなければいけない。



別に俺が酒癖悪いというわけではは無いが。

「シロちゃん飲まないのー?」

他の隊のアイツ…雛森がまのびした声で聞く。



……こいつはもう酔っているのか。


「シロちゃんじゃない!だいたいお前他の隊なんだからあんまり飲むなよ。」


「ひどーい!あたしだけ仲間はずれー?」

雛森がそういうがこいつが持っている酒を取り上げる。

「何よー!」

「駄目。誰があとの面倒みると思ってんだ?」


「……シロちゃん。」


よくわかってんじゃねえか。

「わかってんならさっさと自分の隊に戻れ。な?」

「いや。」

「………嫌?」

「だーって、仕事終わってるしー。」



……完全に酔ってる…。



もういいか。酔っぱらい相手の会話ほど疲れることはない…。


「わかった。わかったから落ち着け。」


「あたしおちついてるもーん!」


そういったあと雛森はバシバシと俺を叩く。


「痛ぇ……」


ぼそっと呟くが雛森は気にしていないようだ。



「たいちょー。あたしたちもう帰りますねー。」


松本がそんなことを言って隊員を帰らそうとする。


「またずいぶんと勝手だな…俺も帰るか。」



おい、雛森。帰るぞ。



そう言おうとしたとき。





ことん。






雛森が俺の肩にもたれかかった。



「………雛森?」



「くー。」



いつのまにかそんな寝息をたてて、ぐっすり眠っていた。


「あー…雛森寝ちゃってますねー………先に帰っておきます。」



松本がそういって帰っていこうとする。


「…隊長おいていく気か?」


「雛森が可哀想ですからね。隊長がお姫様だっこして帰るんならとめませんけど
。」


松本は悪戯っぽくそういったあと隊員を連れて帰っていった。


「……起きるまで待つか…」


ふと顔を横に向ける。




………顔が、近い…。





雛森の寝顔はそれはとても安心しきって、綺麗な顔をしていた。



「……襲われたって知らないぞ。」


本当に思う。



まず、こんな顔で無防備に寝られたら我慢できないだろ!!



もし、俺以外の奴の前でこんな顔をされたら……とても我慢できないと思う。



ああ、嫉妬。



そんなことを考えても仕方ないので、上を見上げた。






……桜の、大きな木…。





花びらがひらひらと舞う。



そのうちの一枚が雛森の頬にひらっと落ちた。



「……お前、桃って名前なのに桜が似合うのかよ。」


俺は少し苦笑いをしてその花びらをとろうとした。




そのとき。





「シロちゃん…………それは……駄目だよ………。」





雛森が言葉を発した。


が、起きてはいない。



「寝言かよ。……まったく、どんな夢みてんだ。」



そして花びらをとろうとしたが、ただ単純にとるだけでは面白くない。



だから、舐めてとってやった。



別に、桜の花びらはあまくもなかったが。




代わりに桜の花びらの様なものをある部分につけてやったから。






次の日雛森は松本に指摘されてその存在に初めて気付き、ピンク色になっていた




桜の花びらの様な、色に。



END



♪あとがき♪
遅くなってしまって申し訳ありません…。
もう二周年から大分たってしまいましたね。
日桃を書かせていただきました。
なんかおかしいところだらけです。
甘いのか…微妙に裏を??
っていっても当然のことながらぬるいですが。
桃ちゃんの夢はご想像にお任せします(笑)

二周年という長い期間、このページを続けていけたのは、皆様の応援あってです。

本当にありがとうございました!!

これからも、頑張っていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします。


2007年4月29日 管理人・リリィ


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