短編
□弱電波
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昼休みが終わった後の授業って、何でこうも眠たいんだろ。おなかに食べ物入れて、グダグダと残りの休み時間を満喫してた所に、現実的な授業の中に立たせられるから、きっと体が全力で非現実に帰ろうぜぇ〜とかなんとか、僕自身の自己にじゃなくて脳に直接交渉っつーか説得してるからなんだと、僕は思うね。
だってそうでもなきゃ、この眠気の理由なんて分かるはずないんだよね〜。
「なら教えてやろう。それはお前が枕なんぞ持参しとるからだ」
「あっれー? おかしーな〜」
「しかもお前、さっき昼休みに風邪薬のんでたろ?」
「うわ、先生ストーカー?」
「誰がストーカーだバカ」
「先生にバカと言われた僕はショックのあまり、心臓発作を起こしました。ぁあ里峰優(サトミネスグル)、君との思い出は永遠に僕の頭の中の宝箱に鍵をかけて置いておくからね」
「自分を忘れるっつーのか」
「ここはどこ? ミーは誰?」
「誰かそいつを永眠させろ」
「はいTバック先生」
「まてまてまてまて今言ったのはどいつだ!?」
「ドイツです」
「……国明(クニアキ)」
「違います。ぼくはチリです」
「ちなみに僕はカスピ海」
「Tバック先生……とは? なにげにかなりのショックなんだが」
「……スルーなんて冷たい大人だね、僕らの先生は」
「里峰君。しょうがないよ。だって先生はカスピ海よりもブルガリアの方が好みなんだから」
「じゃあ改名しようかな」
「ならあえてのベルギーなんてどう?」
「いやいやここはあえてのフランスだよ」
「じゃあそれこそあえてのスウェーデンで」
「国明君はネーミングセンス抜群だね」
「里峰君の饒舌には負けるよ」
「国明君。君とはなんだか、うまくやっていけそうな気がするよ」
「偶然かな? ぼくもそう思ってた所だよ」
「じゃあ今日は一緒に帰ろうか」
「うん、いいよ」
「「それじゃあTバック先生、さよーなら〜」」
「いや、マジで何でそんなあだ名的なのが水着みたいになっちゃってんだよ!?」
「「先生、小学生の水着姿はお嫌いですかぁ?」」
「そりゃどういう意味だぁー!!」
end...