青い林檎

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「俺と…付き合ってくれんかの?」
「え、キモッ。やだよ」



これが今日の朝の出来事。
だって朝家出たら外にいたんだよ?
気持ち悪いじゃんか!

「仁王くんにそんなこと言った人、はじめて見ましたね」
「比呂、あのストーカー男のこと知ってんの?!」
今はお昼休み。
週に一度の至福の時間なんだよ。
なんでって?
幼馴染みの柳生比呂士くんが週に一度しかお昼付き合ってくれないからね。

「知らないのは莉央くらいだと思いますが…」
「あれ、有名人なの?」
「あれとは酷いのぅ。
仁王雅治じゃよ、卯柳さん」
「ひぅわぁぁあ!!!」
へ、変な声出ちゃったよ恥ずかしい…!
「なんで君がここにいるの、ストーカー男!」
「だから仁王雅治じゃって。
ほい、柳生。部長殿に頼まれたプリント」
「ああ、ありがとうございます」
しかも比呂と仲良さげだし!
親友だとか言いだしたら莉央ちゃん泣くよ?!
「莉央、紹介しますね。
私の親友兼ダブルスパートナーの仁王くんです」
嫌な予感的中…
なんでこんなときだけ勘が冴えるんだろうか。

「で、なんでその仁王くんが一緒にお昼食べてるのかな?」
「俺いつも柳生と一緒に昼食っとるし?
卯柳さんと昼食いたいしのぅ」
「気持ち悪っ」
「(………用事あったからすぐに立ち去るつもりだったんですがねぇ)」
超イライラする。
比呂と仲良しだし、
なんか食べ方エロいし、
むしろ存在がエロいし!
「莉央、微妙に褒めてませんか?」
「褒めてないもん!」
比呂の読心術にも慣れたなぁ…。


一章END

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