小説
□厨二病
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銀魂高校のある昼下がり
-屋上-
銀魂高校3年Z組担任坂田銀八は屋上の手すりに肘をつき煙草を吹かしていた。
青空を見ながら思いに耽っていると、屋上の扉が勢いよく開いた。
見るとそこには銀八のクラスの生徒。高杉晋助がいた。
「んだよ、なにしにきたんだ不良。」
「……」
質問をしてもなにも応えない。
「んだよ。愛想のねぇ奴だな。」
舌打ちをしてまた煙草をくわえようとしたとき。
「おぃ、銀八」
名前を呼ばれ振り向くと
高杉が学ランをバサッと上半分だけ脱ぎ
「ヤ・ら・な・い・か」
と、いってウィンクをしてきた。
「………ぇ?」
突然の事態に唖然としていると、高杉は学ランを着直しまた半分だけ脱ぎ
「ヤ・ら・な・い・か」
とウィンクしてきた。
「いや…だから……なに?」
高杉の不可解な行動に困惑していると
「だからヤらないか」
と、シレッと答えた。
そして、学ランをバッサバッサ脱いだり着たりしながら近づいてきた。
「いや、意味分かんねぇし。つか、本気で病院に行くことをお勧めする。精神科いけ。」
「いや、俺正常だし。」「じゃあ、尚更行ってこい。根本的な部分から治してもらえ。」
「今の科学じゃ無理だな。」
「無理かなんて分かんねぇだろうが。諦めちゃあアカンよ。そこで試合終了しちゃうからねぇ」
「どこのバスケ監督だよ」
「スラムのダンクさん家の白髪眼鏡の偉大な方だ!」
「ふぅん…てか、話そらすんじゃねぇよ」
「あ、バレた?」
作戦が失敗に終わった銀八はばつが悪そうな顔になる。
「つかさぁ、俺男の子だから。少年だよ?ついてるもんついてっから。」「んなもん気にしてねぇ」
「いや、気にしよう!?」「俺は銀八だからいいんだ。」
「っ!?///」
しれっといきなりそんな事を言われて、顔を真っ赤にする銀八。
だが、そこは大人の意地
「ゲフンゲフン…ぇ〜とだな、お前はまだ若いんだから俺なんかじゃなくてもっといい子がいるはずだ!それにお前モテるんだろ?尚更じゃねぇか」
と、説得すると
「んだよ。妬いてんのか?」
と、予想外の返答が返ってきた。
「いゃいゃいゃ。人の話聞いてたかな高杉君。諦めろってぇの!」
「さっき諦めるなっつったの誰だよ」
「それは…」
自分の失態に下唇を噛んだ。
「教師に言われたんだから従うしかねぇだろ?」
小首を傾げてニコリと笑う。
「普段言うこときかない奴がなにいってやがんだ。」
恥ずかしくて高杉から視線を外すとグイと顎を掴まれ視線を合わせられた
「は、離せ///」
「離すかよ。銀八ぃ…俺の事好きだろ?言っちまった方がいいんじゃねぇの?幸せにするぜ?」
どんだけ自信加除なんだと思う。
けど、何故か振り払えなかった。
「言っちまえ…銀八」
『なんかもう意味わかんねぇ!どうすりゃいいかわかんねぇよ…でも……』
「…嫌い…でわ……ない……かな////」
恥ずかしさで俯いた銀八。その少し上でククッと笑う声がした
「んだよ。笑ってんじゃねぇよ//」
拗ねてみせるとまた笑い声が増した。
「クククッ…いや、悪りい。可愛くてな…思わず」
「なっ!?///…な、なにいってやがんだコノヤロー」
「銀八」
「!?」
こずいてやろうと手を上げようとした瞬間に名前を呼ばれビクッと体が止まる
そして、その手と腰を引きつけられる
「んな!?////」
すぐ目の前には高杉の顔
「は、離せよバカ//」
「離すわけねぇだろ…やっと手に入れたんだからよ。ずっとこの時を待ってた……もう、離してやらねぇからな銀八…覚悟してろよ?」
不適な笑みを浮かべた高杉の顔は幸せそうだった
「…し、仕方ねぇな!ずっと一緒にいてやろーじゃねぇかコノヤロー」
それを聞いた高杉はふっと笑って顔を近づけていった。