二次小説

□正しい日焼け止めクリームの使い方
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どういうわけだか、亜樹子に乗せられて、川相の映画を撮ることになっちまった。
照井や真倉まで借り出されて。小道具もえらく本格的じゃねえかよ。
まあ、役やらされるよりはマシだったが、なんでフィリップまで。
「閉じこもってたら、身体に毒でしょ」とか言いそうだな、亜樹子なら。

しかしひどく強い陽射しだな。
あ、そうだ、フィリップに日焼け止めクリーム塗っとけって言っといたけど、塗ったのか?
うなじの辺りが少し赤くなってるような気がするぞ。

「おい、フィリップ、日焼け止めクリーム塗ったのか?」
反射板をもたされているフィリップは、熱くなるため手袋をしているので、
手は日焼けする心配はない。
しかし、意外と深い襟ぐりの服だ。首回りを日焼けする可能性は充分ある。
「塗ったよ。翔太郎がうるさいから。」
「首回りは?」
「あ、顔だけだ。そこまでは塗ってない…。」
「首の後ろが一番焼けるんだって。ちょっと見せろ。」
フィリップは色白だ。そのうえ、今まで外にはほとんど出てない。
ちょっとの直射日光で、肌が痛むのは目に見えてる。
「チェーンのあとがうっすらついてるぞ。」
「でも今から塗っても…。」
「今以上に日焼けするよりマシだろう。」
現場までは持って来てなかったようで、亜樹子に日焼け止めクリームを借りて、
岩場の日陰になってるところに行く。
亜樹子たちは次のシーンを撮るために移動した。

「自分で塗るよ。」
フィリップが日焼け止めクリームを取ろうとするのをスッとかわした。
「俺が塗ってやる。」
フィリップの背後に回り、地球ペンダントのチェーンを外してフィリップに渡す。
クリームを少し取り、両手の平に広げて、フィリップの首回りを撫でた。
耳たぶを挟んですりこむように撫でると、イタズラ心が出てきた。
「翔太郎?」
背中に手を入れ、撫で回す。後ろから抱きつくようにして、胸元を撫でる。
「翔太郎!」
フィリップの髪がかかってない右耳の耳たぶを甘噛みする。
「………っ」
何をするのかとばかりに、右側から後ろに振り向いたフィリップの口を迎えるように塞いでやった。
驚いたようだったが、抗いはしないな。
しばらく、ついばむように口付けを繰り返す。

「ジャマくせー服だな。」
俺の身体の一部は日照りとは違う熱さを持ち始めていた。
熱くなったモノはフィリップの腰に当たっていた。
密着させるたびにひらひらと裾が揺れる。
腰にはサルエルパンツ、ロングTシャツ、ロングパーカーがまとっている。
「取っちまうぞ。」
俺はフィリップのロングパーカーを後ろから剥ぐように外し、
ロングTシャツを取り去った。
あらわになった背中に、日焼けクリームをふんだんに塗りこむ。
「海水浴にきたんじゃないんだから、そんなとこまで。」
「何いってんだ。薄い布地だと透過してそこまで焼けちまうんだぞ。」
フィリップは納得のいったようないかなかったような、
そんな気分で少し口をヘの字にした。
背中をゆっくりと撫でる。

胸に手が回り込み、蠢くように撫でまわす。
「翔太郎…、日焼け止め…クリームの…塗り方じゃ、ない、ね…」
フィリップの声が切れ切れになってゆく。

俺はフィリップのサルエルパンツに手をかけ、膝下までひきずり下ろした。
「!!!」
白い双丘があらわになり、両手で包み込むように撫でまわした。
日焼け止めクリームを指にとり、フィリップのそこへも使ってやった。
指でやわらかくほぐすと、俺はもう頂点に達していた。
「我慢しきれねえ。いくぞ。」
フィリップは、岩に手をついた格好で翔太郎を受け入れた。
幸か不幸か手袋をしていた手は岩でも痛くなかったようだ。
激しい動きのあと、俺はフィリップの中で果てた。

ロングTシャツを着、ロングパーカーを無言でまとったフィリップは、
ボソリとつぶやく。
「それ、亜樹ちゃんのだよね。」
日焼け止めクリームのことだ。
「一回で使い切るもんだっけ。」
しれっとだが、トゲのある言葉が俺に投げかけられる。
俺はそしらぬ顔をして、皆の元へ戻った。

(20100623)

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