二次小説

□心なきもの、心あるもの1
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いつもの夜。
いつものフィリップ。
だがこの数日間、僅かな違和感を翔太郎は感じていた。
それは………。
T2ガイアメモリの件が終わってからだ。

「ちょっと、大人になったな、お前…。」
「君も早くなりたまえよ。置いてくよ?」

何気なく交わした会話だったが、明らかにあの時からフィリップの様子が変わっている。

「しょう…たろ?」
そんな不安な表情を察してか、フィリップが翔太郎の顔をじっと見つめる。
「なんでもない。」
翔太郎はフィリップに軽く口付けして、そう答えた。

「お前、フィリップに一体何をした!」
翔太郎は大道克己に向かって叫んだ。
もちろん、それは風都タワーを使って、エクスビッカーを作動させるために、
フィリップを制御装置に使ったことに対しての言葉だったが。

(大道克己は、フィリップに何かしたのか?)
フィリップは特に何も言ってはいない。
しかし、翔太郎は、感じる違和感をフィリップにぶつけてみたくなった。
「風都タワーに着いたとき、NEVERの服を着てたよな。いつものお前の服はどうした?」
フィリップはハッとした顔をしたに違いない。
(言えるわけない。)
咄嗟にそう思い、何事もなかったかのように答えた。
「気がついたら、あそこに繋がれていたんだ。何も覚えてないよ。」

マリアさんからもらったオルゴールに導かれて、フィリップはコンサートホールに行った。
マリアさんはシュラウドではないか、もしそうだとしたら、マリアさんは僕の母親ではないか。
そう思ってマリアさんに尋ねたとき、現れたのはNEVERのリーダー、大道克己だった。
そして、大道克己の口から、真実が語られる。
マリアさんは大道克己の母。
僕をおびきよせるために、シュラウドのフリをして近づいた。
「この子の欲しいものはなんでも与えた。」
僕もそのひとつでしかなかったのか。
大道克己に腹を殴られ、意識を失った。
 

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