二次小説

□心なきもの心あるもの6(完結)
1ページ/1ページ

それからだ。フィリップの身体が思わぬところで反応する。
翔太郎は思う。こんなに感じやすい身体だったろうか。
ここも、ここも。
俺が今までフィリップに与えていたと思っていた快感が全てではなかったのか。
身体をまさぐる翔太郎に、フィリップは身体を固くしたり、ああ、という吐息を洩らしたりしている。
翔太郎はたまらずフィリップに口付けた。
フィリップは拒まない。フィリップも翔太郎を求めてくる。
翔太郎が心底自分を求めているのが感じられるからだ。
「翔太郎、翔太郎、翔太郎。」
何度も名を口にする。
翔太郎は丹念にフィリップの身体に唇を這わせ、乳首を弄んだ。
京水のおかげで敏感になっているところを翔太郎も探り当てる。
「ああ、翔太郎。いい。」
翔太郎は思う。フィリップは克己のことは何も言わないが、何かあったことは確かだ。
でも、それは俺たちを強くより深く結びつけるきっかけにしか他ならない。
フィリップは恍惚とした表情で翔太郎の高まりを待っていた。
翔太郎はそんなフィリップの顔にたまらなくなって、フィリップの身体を押し開いた。
己のものをゆっくりと、やさしく、しかし深く杭打つ。
フィリップは翔太郎と一体化したことに安堵感を味わっていた。
「翔太郎。」
翔太郎はそんなフィリップを愛おしく感じて再び口付けていた。
フィリップのものも熱さをおびていく。
身体に穿かれた翔太郎に己のものが反応していくのがわかる。
翔太郎は激しく、しかし丹念にフィリップを攻め立てる。
「あ、ああ」
フィリップが放つと同時に、翔太郎もフィリップの中に全てを吐き出していた。

翔太郎は感じていた。いままでよりフィリップと深く繋がれていることを。
それは身体だけでなく、心も、なにもかも。
何があったかもう聞くのはやめておこう。
翔太郎はフィリップなしではもういられない。
そしてフィリップも翔太郎のことをなによりも必要と思っている。
それだけで、満足だ。
これからももっとフィリップと愛し合うだろう。
二人は心も身体も本当にひとつになっているのだから。

(20101015)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ