追憶のRiverside moon

□奇跡か否か
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【005 奇跡か否か】




 結局、諒児の仕事終わりまで残っていた藤兎と友隆。

 諒児に「病院の入り口まで車をもってくるから待ってろ。」と言われ、じめじめと降り続いている雨をいつ止むのやらと呆れながら待っている。

 5分も待たぬ内に諒児の車はやってきた。
 一目をひくエメラルド色のそのワゴン車に乗り込み、徒歩だと15分くらいかかる友隆の家まで僅か5分で向かった。


 中級マンションの駐車場の通路に車を停める諒児。


「ホラ、今度花井とのデートをセッティングしてやっから、もう病院には顔出すな。」


「ホントっスか!!」


「大人の事情とかな、俺も色々大変なんだよ。」


 ここ最近、婦長さんの目が恐いのだ。
『滝峰先生は自分の知り合いを呼んで、仕事をサボタージュしてらっしゃる。』
 なんて陰口されたんじゃ今後の仕事に支障が出るからな。今の内にこの雑草魂をつんでおかないといけない。




 
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