fortune
□prologue
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姉様…
私この世界が好きよ
姉様に負けないくらいこの世界が大好き
だから怖くなんてない
大丈夫、そんな顔しないで?
『巫』は眠りにつくけど姉様やシオンさんの事私は信じてる
二人が救世主を探し出して私の眼を覚ましてくれるって信じてる
だからそれまでの我慢
私は……
『巫』は眠りにつくけれどきっとすぐまた会える
だからそれまで…おやすみなさい…
* * * * *
夢を見た
大切な妹の夢を
今は眠り続ける光の巫の夢を
「…クレア…」
呟くのは安らかな寝息を立てる妹の名前。
「もうすぐ、もうすぐまた会えるからね」
眠る妹の頭をそっと撫でると踵を返し部屋の外へと歩いて行く。
歩く度に揺れる長い橙の髪を靡かせイリアは部屋を後にした。